雪形フォトコンテスト

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雪形フォトコンテスト2010 結果発表

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総評:「雪形は雪国の文化」

昨年、4月16・17日、雪形ウオッチングが秋田県で開催される予定でしが、東日本大震災のため中止となりました。この雪形ウオッチングは今年4月28・29日に開催されたので参加しました。

幸い、両日とも好天に恵まれ、72名の参加者は2台の貸し切りバスで2ヶ所の雪形を観察しました。現地での案内役は地元のお年寄りの方々で、名調子の説明は印象的でした。

最初は藤里駒ヶ岳の「黒馬」見学です。雪の融けた解けた部分が馬の姿に見えるもので、白神山地の秋田県側にあります。白神山地は日本海側に面し、秋田県と青森県にまたがる「ぶなの天然林」で有名な豪雪地帯です。ここは1993年に日本で初めて屋久島と共に世界自然遺産に指定されています。

雪形は融雪が進み、融け残った白い残雪の形や、融けた範囲が黒くなって人や動物の姿に見えるものです。したがって、その姿に見えるのは融雪の進み具合に左右されます。運悪く?私には「黒馬」は見えませんでしたが説明役の現地の人は、何十年もの間、毎年見ているので「黒馬」が見えているようでした。 もう一ヶ所は、秋田市に近い太平山の「白い鶴」です。これも説明役の現地の方には見えている様でしたが、私には見えませんでした。

本州では数百の雪形が知られていますが、この雪形が現れたら、この農作業を始めるという、農作業の目安とされていました。昔は農家の人は毎日山の残雪に注目して、どんな雪形が現れるか注目し、代々伝承されてきたのです。すなわち雪形は豪雪地帯に生きる人々の生活の知恵(文化)だった訳です。

北海道で農業が始まったのは明治以降なので雪形を農作業の目安とする必要はありませんでした。気象データから、農作業の時期は科学的に決めることが可能になったからです。しかし、自然との共生や防災のためには、身近な自然に注目することが不可欠です。北海道でも多くの人々がもっと雪形に関心を持って欲しいものです。

審査委員長:秋田谷 英次

 

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