今年で14回目となる「雪形コンテスト」。
お天気の影響か、雪形の時期が良くなかったのか、今回は応募が少なく審査員も少しガッカリでしたが、
今年も様々な作品が勢ぞろい。みなさんの斬新な「雪形観」に、審査員も頭を悩ませました。
厳選なる審査の結果「最優秀賞」1点と「審査員賞」3点、計4作品が決定いたしましたのでご紹介いたします。
参考サイト >> 国際雪形研究会 URL http://www.yukihaku.net/yukigata
春先、ようやく暖かくなってきたので、のんびりと⼭の中腹に顔を出したシアプカ(⽼⼤なる雄⿅)。
苫⼩牧では、緑ヶ丘公園などで多くの⿅を⾒かけます。⼭を⾒上げるとそこにも⼤きな⿅がいたのでした。
写真を撮影した樽前山周辺には鹿がよく出没するようですが、山の斜面の白い形を見て鹿に見立てた点は高く評価できます。昔から言い伝えのある雪形には、普段の生活でよく見ている馬・牛・鶏などの動物の形に見立てることがよくあります。この雪形についても、地元で時々話題になる動物が鹿であると仮定すると、生活に関わる雪形に近いのではないでしょうか。また、写真の構図についても、山全体を写しつつ、中央に目的の雪形を置いている点は評価できます。一方、この樽前山の隣にはアイヌ文化で有名な白老町があります。今回の雪形の名称をアイヌ語で付けた点もネーミングの良さを感じました。
ちなみに、この樽前山の同じ斜面では、この写真を撮影した日よりももう少し早い時期ですが、「親熊」「小熊」「蛇」「猫」の形に見える雪形が出現することも報告されています。同じ斜面を見ていても、時期によって山の白黒パターンが変化し、雪形の見立ても変わってくるのでしょう。
形の明確さ、写真の構図、ネーミングの良さなどを評価して、この写真を選定しました。
審査委員長:山田 高嗣
なし
2016年3月26日に北海道新幹線が開業し、函館駅に新幹線が乗り入れるようになりました。現在、札幌延伸に向けて、ニセコ地域でもトンネルや橋梁の工事が進められていることを報道や知人から時々、見たり聞いたりします。
作品は、まさに新幹線の工事中のニセコで、その象徴ともいえる、ニセコアンヌプリ岳を背景に、真っ青な空の中を、真っ白な新幹線が疾走しているように見えて、近未来を予感させる雪形です。時期がタイムリーなこと、ニセコアンヌプリ岳、青い空(屋根)そして雪形の組み合わせが絶妙なことに魅かれました。
また、雪形フォトコンテストで、屋根雪の雪形が受賞するのは、はじめてのことではないでしょうか。自然の山や地面だけでなく、春先の屋根の上にも、様々な雪形が潜んでいるんですね。もう少し、写真が鮮明だと、もっと良かったと思いますが、そんな新しい発見をさせていただいたことも含めて評価いたしました。
審査員:原 文宏
⿐がにょっきり⻑い ピノキオをみつけました。
ひとりぼっちでちょっとさびしそう?
一目瞭然、誰もが納得の雪形もあれば、説明文を読んでも「?」な雪形もある。考えてみれば雪形は抽象画のようで極めて主観的。個人の感性というか、想像力が大いに試されるような気がします。
旭川空港裏から早春の大雪山連峰を望んだ1枚の雄大な写真。その中から、米粒のようなピノキオを発見したその執念には「う~っむ!」と唸るしかなく、この雪形フォトコンテストへ情熱に感謝して審査員賞とさせていただきました。
ちなみにピノキオは1940年に公開されたディズニーのアニメーション映画。古い作品なので知らない人も多いと思いますが、おもちゃ職人の作った操り人形の冒険物語で、原作はカルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」。
特徴的な長い鼻だけじゃなく、耳がうっすら見えるところもプラス要素でした。
審査員:残間 正之
伝説の⼤⿂“タキタロウ”が滝をのぼってきたところを秘かに狙う“ヤタガラス”。その横を“麒麟”が疾⾵の如く駆け抜けていきました。
高速道路から見上げると白い大斜面があり、その斜面上にある黒い形に注目した雪形です。1カ所の形だけではなく3カ所も注目し、それぞれの名称を伝説上の生きもの(タキタロウ、ヤタガラス、キリン)に見立てた点に着眼点やネーミングの良さを感じました。
黒く見える部分はおそらく全層雪崩の前兆現象として現れる「クラック(割れ目)」だと思われます。クラックは比較的同じ場所にできやすいので、この雪形は毎年出現する可能性がありますが、積雪状態やクラックの開き方によっては多少形が異なることもあります。そして、クラックの開き方は、気象条件や積雪下の状態によって時々刻々変化していくものです。そのため、今回の3つの雪形を同時に見られる可能性は決して高くはありません。各斜面のクラックの開き方に大きく依存する雪形だと考えると、この雪形はとても貴重なタイミングに見つけたと思われます。
3つの雪形を伝説上の生きものへ関連づけたストーリー性やユニークさ、クラックの開き具合に関して貴重なタイミングで撮影した希少性などを評価して、この写真を選定しました。
審査委員長:山田 高嗣