「雪形」は春の雪解け時期に観察できるのですが、その出現時期や期間については、冬の積雪状態や春の融雪状況によって毎年少しずつ違いがあります。今年の北海道は、平年よりも気温が低く、降雪の多い冬でした。そして、雪解けの時期である4月から5月上旬までは低温状態が続き、平年よりも日照時間の短い春となり、5月下旬以降は徐々に気温が上がり、雨も多く、雪解けは一気に進みました。雪解けが終わってみると、根雪の終日は平年より1週間程度遅れたようです。
国際雪形研究会北海道支部では毎年雪形観察会を企画しており、冬から春の気象や積雪の状態を見て、開催日を決めています。今年は昨年並みの時期に出現すると予想していたのですが、実際に観察してみると若干雪解けが遅れていたことがわかりました。春の低温状態まで予想できなかったのです。自然の変化を予想するのは大変難しいことであり、興味深いことでもあります。
今年の雪形フォトコンテストには、北海道内だけではなく京都や神奈川からの応募があり、19名、計39点の応募がありました。撮影場所は羊蹄山などのニセコ地域が多く、大雪山周辺や知床周辺などの作品もありました。形についてはシンプルなものが多く、ネーミングもユニークなものが多数ありました。審査をする上では、雪形の形、着眼点、ネーミング、ストーリー性、写真の構図、解説文、「遊び心」の有無など、様々な観点から審議して受賞者を選びました。今年は甲乙付けがたい作品が多く、昨年よりも優秀賞を1点増やすことになりました。
今年も優秀な作品を多数応募していただきありがとうございました。これからも雪形の写真を撮り続けると共に、「遊び心」を持って自然を見つめ続けていただきたい思います。
審査委員長:山田 高嗣