今年で10回目となる「雪形コンテスト」。今年もユニークな作品が多数寄せられました。
参考サイト >> 国際雪形研究会 URL http://www.yukihaku.net/yukigata
昨年、雪形コンテストの事を知り、登⼭中におもしろい雪形がないか探しながら、大雪⼭お鉢巡りをしている時に 遭遇しました。 見つけた瞬間にタイトルが頭に浮かびました。
アメリカンコミックから飛び出たようですね。 この中岳付近山道のルートは、私も以前に何度か歩きましたが、これはまた、面白い「野郎」に遭遇しましたね。
天候も良さそうで快適なトレッキングだったかと思うと、一寸羨ましいですね。 雪形は投稿者のコメントを見ても、どうしても「そうかな~」にしかならない、残念な作品も実は多い場合もあるのですが、この作品は、「ん~何かに見える・・・」ではなく、目に入った瞬間にタイトルが浮かんだ・・・まさしく、野郎にバッタリ遭ったという感じがします。
それでも、普段から心がけていないと、ただの雪にしか見えないこともありますから、今度はどんな「野郎」に会わせてもらえるか楽しみです。
審査員:上島 信一
初夏の北海道の雄⼤な光景と美味散策を楽しみながらの旅で出会った。むき出しの岩肌が目の前に迫る圧倒的な景観に感激しました。雪形説明:岩肌に大きく残る残雪が、⽝が「フセ!」をして⾷べ物を「おねだり」しているかのような光景です。
犬の形の雪形ということで、頭から尾までの形はもちろん、目や口などの詳細まで表現できている雪形です。これまでに見た犬の雪形は4本脚のある形が多い中、この雪形は「フセ」をしている犬ということでユニークさを感じます。そして、口先にある雪の形を食べ物と称して、「おねだり」をしていると考える想像力には驚かされました。また、写真の撮り方に注目すると、一般的には山頂部まで撮影したものが多いのですが、山の上部がちょうど雲で覆われており、犬の形のある下部がわかりやすい写真になっています。雲などの自然現象をうまく利用して撮影することで該当する雪形が見やすくなる点も、雪形を撮影するときの特有な技法で、うまく撮影されている作品です。
審査委員長:山田 高嗣
急に大きな顔が表れてびっくり。
(フォト倶楽部会員
No.1024)
畑と山の稜線の境にできたくぼ地に人の横顔のように残ったニュー雪形ですね。ほんとうに輪郭が人間の横顔そっくりですし、鼻、口、首がハッキリわかりますね。しかも、ネーミングの「長いまつげ」どおりに、目の上には樹木の「まつげ」があって、頭の部分にある樹木は、髪の毛にも見えますね。雪と樹木を組み合わせた、新しいタイプの雪形の提案を高く評価しました。
また、個人的には、この無表情で、シュールな感じの白い顔が、現代アートぽくって、とても好きです。口が空いているので、彼?が、言っていることを想像したくなります。ボソっと、何か怖〜いこといいそうですよね。(笑)
審査員:原 文宏
(コメントなし)
山スキーを楽しめる羊蹄山にちなんで「スキーヤー」という雪形を見つけるとは、すばらしい着眼点です。単なるスキーヤーではなく、滑り方が「直滑降」という称した点も評価できます。滑降方向について注目すると、ちょうど谷筋に沿って斜面のように見える雪が筋状に残っており、滑走面まで表現されている雪形であると感じました。
スキーヤーの雪形といえば、山形県の鳥海山にはスキーヤーというニュー雪形があり、1999年に国際雪形研究会が主催した観察会「雪形ウォッチング」のことを思い出します。全国的にもスキーヤーの雪形はとても珍しく、今回の作品は貴重なものであると高く評価します。
審査委員長:山田 高嗣
(コメントなし)
おお~龍だ!ドラゴンだ! 羊蹄山北西側斜面のこのウォッチポイントは、いろいろな奴らに遭えるポイントとして、マニアには知れたところとは言え、この龍はドンピシャですね。
羊蹄の雪形で、その夏の暑さが分かると地元の人が言う・・・と、20年位前に聞いたことがありますが、先人の知恵が教えてくれるのでしょうね。その先人も想定していなかったのが、地球温暖化??
毎年、このドンピシャドラゴンが出現する月日を記録できると良いですね。長期間で見ると現われるタイミングが少しずつ早くなったりして・・・ま~そうなると何の観測か分からなくなりそうですが、来年のドラゴンくんに会えるのが楽しみです。
審査員:上島 信一
(コメントなし)
応募作品に動物雪形は多いのですが、フクロウとメガネザルは希なので、まず惹かれました。特に、メガネザルは、はじめての応募だと思います。調べて見ましたら、メガネザルはインドネシアやフィリピン等の島嶼部に生息して、名前どおり大きな目が特徴の、手のひらサイズの小さな、かわいいサルですね。雪形のメガネザルも、本物同様、フクロウの横に、大きな目で、何か、話しかけるように座っている所がとてもかわいいですね。
フクロウも、耳や輪郭がかなりきちんと残っていて、立派なフクロウです。大きくて、北海道ですから、ネーミングはシマフクロウだったら、もっと良かったかなと思いました。私たちの「雪形動物園」に新しい動物が加わえてくれたことを評価して選びました。
審査員:原 文宏
雪が無くなるのが寂しそう。
(フォト倶楽部会員 No.1024)
クマの形の雪形は北海道らしい雪形と言えます。苫小牧市から見る樽前山のクマの親子など、これまで多数見てきましたが、「シロクマ」と命名するものは目新しく感じました。シロクマの形自体も明確で、誰が見ても一目でわかります。そして、口から出ているように見える雪の形にも着目し、「ため息」と称した点は非常にユニークです。解説文にある「雪が無くなるのが寂しそう」というシロクマの気持ちを読み取る想像力と、ため息という表現技法がすばらしいと感じました。
札幌市にある円山動物園では昨年末にホッキョクグマの双子の赤誕生し、今年はちょうどシロクマブームになっています。タイミングとしても「シロクマ」の雪形に着目した点は評価できます。まるで母親のララが出産を終えて一息ついた様子を表ちゃんがしているかのように感じました。
ユニークな想像力と表現技法、ストーリーが感じられる点、その年のブームを捉えている点など、総合的に高く評価できる作品です。
審査委員長:山田 高嗣