「雪形」は春の雪解け時期に観察できるのですが、その出現時期や期間については、冬の積雪状態や春の融雪状況によって毎年少しずつ違いがあります。今年の北海道は、12月は大雪が降ることもありましたが、1月は気温が高くなり、冬期間全体では雨が多く、降雪は少なめ、気温は平年並みでした。3月以降の雪解け時期には、気温は平年よりも高めに推移し、雨も多く、平年よりも雪解けが早く進みました。そのため、雪形の出現時期は昨年よりも1週間程度早かったと推測しています。
近年の雪形フォトコンテストは、2015年45点、2016年30点、2017年13点、そして、今年は10点と応募作品が年々減ってきました。この応募数の減少は、雪解け時期が年々早まっている様子とまるで連動しているかのように感じますが、雪形というテーマで自然を見つめる活動にも一休みが必要な時期なのかもしれません。
今年の作品の撮影場所については、ニセコ山系などの山岳エリアで撮影した作品、国道から撮影した作品、船上から撮影した作品などが集まりました。また、石狩、後志、空知、十勝に加えて、知床まで様々な地域で撮影した作品でした。作品の応募には、タイトル、撮影場所、撮影対象、撮影時期、解説文などを付けてもらうのですが、今年は特に解説文が充実しており、撮影者の気持ちが伝わりやすい作品が目立ちました。
審査においては、雪形の形、着眼点、ネーミング、ストーリー性、写真の構図、解説文、「遊び心」の有無など、様々な観点から審議して受賞者を選びました。昨年に引き続き今年も残念ながら最優秀賞は該当作品がありませんでしたが、優秀賞が1点、審査員賞が3点選ばれました。
今年もユニークな作品を多数応募していただきありがとうございました。本コンテストは今回をもって一休みとなりますが、これからも雪形の写真を撮り続けると共に、「遊び心」を持って自然を見つめ続けてもらいたいと思います。
審査委員長:山田 高嗣