雪形フォトコンテスト

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雪形フォトコンテスト2010 結果発表

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総評

 先日、7回目の雪形フォトコンテストの審査会がありました。雪形は山肌に残雪が描く模様で、本州ではこの模様が春から初夏にかけて、ほぼ決まった時期に現れるので、農作業を始める目安として伝承されていました。開拓の浅い北海道では、農作業の目安としての雪形伝承はあまりありませんでした。しかし、特徴的な雪形は先人の間でも知られていたようです。例えば、噴火湾に面した町、長万部は、アイヌ語で魚の「カレイ」の雪形が町名の由来という説があります(「シャマンベ」=「カレイ」)。

北海道では、これまでの雪形伝承が少ない分、新たな雪形発見の機会が多いと思われます。幸い、今年は北海道新聞でこのコンテストを大きく取り上げて頂きましたので、例年の倍以上の応募がありました。現代かわら版「山肌に描く雪形の世界」(5月7日)という見出しで、過去の優秀作品が紹介されました。これまで応募された作品は、登山者や地元の人々の間で知られている有名な雪形もありましたが、大部分は新たに発見された雪形でした。応募作品を説明なしで眺めただけでは、どれが雪形か分からないものも少なくありません。しかし、説明を読むと、なるほど、間違いない、その通りだ、と思えてきます。

残雪がそのまま人や動物に見える作品もありますが、ある生き物のしぐさや、さらに複数の生き物や伝説上の生物など、物語性のある作品もあります。何に見えるかは、発見者の発想力や感性に依るので、審査では感心や感動の連続です。

雪形の記事が新聞に掲載されたお陰で、本州から修学旅行で訪れた高校生が雪形を発見して応募し、入選しました。雪のない地方の人にとって、雪形は新鮮な驚きであったでしょう。このように、雪形は北海道の観光資源となる可能性があり、さらに北海道の人にとっても日々変化する残雪模様に注目することで、自然の変化を敏感に感じるようになるはずです。自然に注目し、自然の恵みを実感することが、人と自然の共生の第一歩だと思います。

審査委員長:秋田谷 英次

 

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