雪形フォトコンテスト

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雪形フォトコンテスト2009 結果発表

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総評

我が国では古くから山の残雪を動物や人に見立て、雪形(ゆきがた)と呼んでいました。そして、この雪形が現れたら、この農作業を始めるという農事暦として利用されていたのです。このように残雪模様を雪形として利用したのは日本独特の文化であり、人と自然との共生の第一歩は、このような身近な自然に関心を持つことだと思います。

日本の国土は南北に細長く、周囲が海に囲まれ、地形が急峻です。このため冬はシベリヤからの冷たい季節風が雪をもたらし、夏は太平洋からの暖かい風が雨をもたらし、あらゆる生き物に不可欠な水を豊富に供給してくれます。冬に積もった雪が夏に融ける過程で、雪の量と地形や植生条件で、毎年ほぼ決まった形として現れのが雪形です。雪の積もり方が異なったり、斜面崩壊などで地形が変わると雪形も変化するので、自然異変の指標にもなるでしょう。

残雪の白い部分が、または融けて現れた黒い地肌が何かに見える単純な雪形の他に、白と黒の組み合わせが何かに見える雪形、さらに白黒模様と樹木を含んだ山全体が何かに見えるものなど、今年は多様な雪形作品がありました。雪形は、山と雪があれば、いつでも、誰でも、どこでも見つけられる訳ではありません。どんな雪形が見つかるかは、時期と天候に左右され、まさに、これが自然の本質なのです。

現代社会は自然との触れあいが希薄になりつつあります。特に都会では高層ビルで日の出も日没も見られなく、特に美しい星空は殆ど見ることができません。天気の良い春先に、子供連れで残雪模様を眺める、雪形ウオッチングはいかがですか。

審査委員長:秋田谷 英次